From: Hatch
激裏情報界隈では、金の密輸の話題をよく聞きます。
一時は下火になっていましたが、コロナ禍でまた少し話を聞くようになりました。
金密輸スキーム
金の密輸はなぜ行われるのか?
よく「金の価格は世界共通」と言われたりする。
なので、海外で購入しても、国内で購入しても価格が変わらないのであれば、金を密輸する意味がないのではないかと考える方もいると思う。
金の密輸はこうだ。
A)海外(香港など)での金流通価格
金本体価格
B)国内での金流通価格
金本体価格+消費税10%
国内で売買する場合には、買う時も売る時も消費税10%が必要なので、差益は得られない。
では、海外で購入して、普通に日本国内で売ればよい風に見えるが、国内に持ち込む時点で、税関で消費税10%が課税されるため、差益は生まれない。
その一方、海外→国内に持ち込む際に、密輸し日本国内で売却すれば10%の差益が抜けることになる。
これが金の密輸スキーム。
金密輸を取り巻く環境の変遷
金密輸を取り巻く環境の変遷
かれこれ5年くらい前には、金密輸の話をあちこちで聞いた。
それからしばらくして、スキームが有名になりすぎたため、ニュースでも金密輸の事例をよく聞くようになった。
この背景には、組織的に金密輸を行う者たちが現れ、監視体制が厳しくなったことに起因したものと思われる。
2020年の中盤までの1年間のでデータでは、金密輸による脱税の摘発は199件。脱税総額は、3億6,071万円。
コロナ禍の影響を受けてか、前年比で62%減少している。
取締りの次の一手。外国人の売却は税額控除の対象外に。
取締りの次の一手。外国人の売却は税額控除の対象外に。
前年比でかなり減少しているわけだが、取締側は2021年より新しいルールを導入する。
それが「訪日外国人から金を買い取った場合、仕入税額控除の対象外にする」というもの。
偽の在留カードで外国人を使って、売却される手口が多いための封じ込め作戦である。
このルールが適用されるとどうなるかイメージがわかない方もいると思うので、簡単に説明すると、
「外国人から買い取った場合、買取業者が10%損をする」
ということ。
これではどこの買取業者も買い取らないだろう。
まとめ
今回は、金密輸に係る取締ルールの強化についてお伝えしました。
10%の差益が抜けることで、手法が広がった金密輸ですが、下降傾向にあるものの取締側とのイタチごっこが続いています。
みなさんも密輸の際には注意してください。密輸ダメ絶対。
それではまた。
ーHatch
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